かんきにゃんこと一緒に調べよう!換気なんでもQ&A

1.換気扇と空気清浄機の違いは?

換気扇も空気清浄機も、室内の空気をきれいに保つために役立つ機器ですが、違う点もあります。 「換気扇」は、人間の呼吸で発生する二酸化炭素を屋外の酸素と交換する働きをします。建物においては、屋外から新鮮な空気を取り入れて、室内の汚れた空気を出すという内外の空気の入れ換えを行います。

一方、「空気清浄機」は室内の空気を機械に取り込んで、フィルターなどで濾(ろ)過して室内に戻しています。 空気清浄機の集塵(じん)方式には、フィルターでチリやホコリを取る方式や、チリやホコリに静電気を帯電させて電気的に集塵する方式、それらの組合せなどの方式があります。 付加機能としては、活性炭などの吸着材を脱臭フィルターとして使って臭い成分をとるものや、触媒を使って臭い成分を分解するものもあります。

空気清浄機(フィルター式)のしくみ

空気清浄機(フィルター式)のしくみ

さらに詳しく、換気扇と空気清浄機の役割の違いをいくつかあげてみましょう。

1.酸素濃度
換気扇は外気を取り入れるので室内の空気成分(酸素濃度)を維持しますが、空気清浄機にはその機能はありません。
2.設置方法
換気扇は、本体またはダクトを通じて屋内外を貫通させる工事が必要ですが、空気清浄機は室内に設置するだけで働かせることが出来ます。
3.清浄方法
換気扇にも換気による空気清浄機能がありますが、これは新鮮空気によって汚染空気の度合いを薄める(希釈)という働きによるものです。空気清浄機は機器内に汚れた空気を取り込んでろ過(清浄化)するという働きをします。

このような、換気扇と空気清浄機の性質をよく理解した上で、両方をうまく使いこなして下さい。臭いが気になる場合など、空気清浄機を補助的に使って効果的な場合がありますが、「空気清浄機を使っているから換気は不要だ。」とは言えません。

2.換気扇でにおいは取れる?

換気扇は「室内の空気を入れ換える電気機器」です。室内の空気を出し入れしないでにおいを取るのであれば「空気の掃除機」、空気清浄機があります。 しかし、においは個人差が大きい環境要素の一つで、全ての人が満足できる除去は難しいと思われます。においは取るよりも、部屋の空気を入れ換え、外に排出するほうが良いのではないでしょうか。

換気扇の能力がその用途に見合っていないと、たとえば台所の臭い、油煙などがうまく排気されないなどの問題が起こります。目的に合った換気扇を選定してください。また、空気の取り入れ口確保も重要です。「入り口無くして出口無し」、換気の鉄則です。

3.いままでの換気ではダメなの?

今までのキッチン、トイレ、浴室の換気だけでは不十分です。

これからはリビングや子供部屋、寝室等、全居室に24時間常時機械換気設備が必要です。

4.タイマー予約機能がある換気扇もあるの?

換気扇自体に24時間タイマー機能を搭載したものはありませんが、換気扇に24時間タイマー(指定時間にON、指定時間Offにする)を取り付ければ可能です。接続方法はお近くの電気店などにご相談ください。

長期間の換気には小風量換気が適しています。最近は換気扇の省エネ技術も進歩し、1カ月間連続運転しても、電気代は50円に満たない機種も多く発売されています。また、2003年7月以降に建築された住宅などには、小風量換気が義務付けられました。

5.マンション向きの静かな換気扇は?

一般的に換気風量の多い換気扇ほど運転音は高くなります。大きな風量を必要とする台所用換気扇などには低騒音化が難しいですが、居室(居間・寝室・子供部屋など)で使用される換気扇については、低騒音タイプの換気扇もございます。

また、風量切換がある換気扇では、常時「弱」運転をベースにして、室内空気状態の変化により(喫煙・多人数の在室など)「強」運転に切換えれば、運転音はほとんど気にならないレベルです。

6.機械換気って何?

羽根が付いた換気扇で換気を行うこと。羽根を給気側に使うか排気側に使うかで「第1種(強制給排気型)」・「第2種(強制給気型)」・「第3種(強制排気型)」に分かれます。

7.冬場の換気と寒冷地の換気のポイントは?

冬場は暖房等により湿気がこもり、結露が発生しやすく、カビやダニの発生につながるばかりか、アレルギーの原因にもなりかねません。

特に「浴室」は、湿った空気を外に追い出し、乾燥した外気を取り入れる必要があります。また、人が集まる「居間」は、室内の空気を利用して、除湿or加湿した外気を取り入れる必要があります。「寒冷地」では、外気を取り入れると、今まで暖房等で暖めた室内の空気が逃げてしまい、エネルギーの損失となります。

空気の循環を効率的に行うために、熱交換形換気扇をお薦めします。

機器の機能等詳細は、「冷暖房効果が損なわれにくい換気扇」を参照してください。

8.ホルムアルデヒドを除去するベークアウトとは?

ホルムアルデヒドの除去(低減)方法の一つとして「ベークアウト」の手法があります。新築住宅の入居前に、一定期間、室温を一時的に上昇することでホルムアルデヒドの発生速度を増大させ除去し、入居後の発生量を緩和するものですが、これは換気システムまたは換気扇に関係する問題ではなく、建築サイドの問題ですので、適切なお答えをすることができません。

健康住宅推進協議会の中に、「健康住宅相談コーナー」が設置されていて、各種の相談に対応しています(相談は無料)。適切なアドバイス、またご希望によりベークアウト処理業者の紹介もしてくれると思います。 なお、ベークアウトはホルムアルデヒドを完全に除去するものではありませんので、この処理を実施する、しないに関わらず、今後とも換気に十分配慮して生活していただきたいと思います。ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物の対策として、最も実際的な対策は換気とされています。→ホルムアルデヒドなどの汚染物質については、「体に有害な汚染物質を追い出します。」を参照してください。